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カルチャー横断ブログメディア「UZ」

RADWIMPS論。野田洋次郎の作詞世界

RADWIMPSのフロントマン・野田洋次郎の作詞は、日本のポップミュージック史において特異な位置を占めている。その根源にあるのは、彼が帰国子女であるという事実だ。幼少期をアメリカで過ごし、英語と日本語の狭間で育った野田の言語感覚は、従来の日本語歌…

手塚治虫「火の鳥」と藤子・F・不二雄「ドラえもん」が時代を超越できた理由——時間と向き合う漫画の想像力

はじめに:なぜ昔の漫画は色褪せないのか 2025年の今、手塚治虫の「火の鳥」を読んでも、藤子・F・不二雄の「ドラえもん」を読んでも、作品が古びていないことに驚かされる。むしろ、現代の私たちが直面している問題——AI、環境破壊、戦争、生命倫理——を予見…

新井英樹『The World Is Mine』は2025年の熊被害を予見していたのか——物語が現実化する時

2025年、熊が「怪物」になった 2025年11月、環境省が発表したクマによる死傷者数は196人に達し、統計開始以来最悪のペースで推移している。死者は12人。これは過去最多だった2023年度の6人を大きく上回る数字だ。しかも被害の質が変わってきている。長野県飯…

「竜とそばかすの姫」再考──現代の野獣とは誰か

美女と野獣の再解釈 2021年に公開された細田守監督作品「竜とそばかすの姫」は、ディズニー映画でも知られる「美女と野獣」を現代に翻案した作品である。高知の田舎に暮らす女子高生・すずが、仮想空間「U」の中で歌姫ベルとなり、謎の存在・竜と出会う。物…

村上春樹の最高傑作『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と、晩年にやりなおされた"世界の終り"『街とその不確かな壁』を読み解く

43年越しの「やり直し」が意味するもの 村上春樹という作家のキャリアにおいて、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(1985年)は疑いなく頂点の一つである。だが、この傑作には40年以上にわたる長い前史がある。1980年、文芸誌「文学界」に発表さ…

ジョン・ホプキンス『Singularity』──音楽が未来を予言するとき

2010年代に大阪で観たトム・ヨーク(レディオヘッド)の「Tomorrow's Modern Boxes」のライブは、いまでも忘れられない。電子音楽と生身の身体が溶け合い、ノイズと静寂が交差し、都市の感覚と自分の内面が一つになったような、あの独特の高揚感。テクノやアン…

村上春樹はどのように創られたか? ——その影響源の謎に迫る

芦屋の家庭の家で育ち、少年時代から膨大な読書を重ねてきた村上春樹という作家は、一九七九年の『風の歌を聴け』によって、まるで何の前触れもなく文学の地平に姿を現したかのように見える。だが、その「無からの創造」に見える鮮烈な登場は、実のところ精…

NARUTO、呪術廻戦にみるAKIRAの残滓

はじめに――少年漫画に刻まれた予言の書 大友克洋の『AKIRA』が1982年に連載を開始してから40年以上が経過した。しかし、この作品が日本の少年漫画に刻んだ傷痕は、いまだに癒えることなく、むしろ時を経るごとに深化している。『NARUTO』『呪術廻戦』という…