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カルチャー横断ブログメディア「UZ」

漫画を現実化するとは、内側の現実を外に持ち出すことだ Netflix実写版『ONE PIECE』シーズン1〜2から考える

見ているだけで、泣けてくる。 Netflix実写版『ONE PIECE』シーズン2を観ながら、ぼくはそのことにまず驚いた。感動したから泣いているのではない。ある種の「驚愕」に近い感覚として、涙が出てくる。なぜこんなことが起きるのか。それを考えることが、この…

宇宙で「ひとり」であることの意味——映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

まず、正直に言う 公開初日の満足度ランキングで1位を獲得し、Filmarksで4.2点という高評価を叩き出したこの映画を、「面白かった」の一言で終わらせるのはもったいない。面白いのは当然として——この映画が本当に何を描いたのか、そして何を描かなかったのか…

チェンソーマンは終わったのか——漫画が漫画を食べた日

2026年3月25日、チェンソーマン第2部が完結した。 第232話をもって「学園編」は幕を閉じた。チェーンソーマンは世界から消え、残ったのはアサとデンジの淡い恋心だけだった。 ネット上では戸惑いの声が広がった。「series finale」という海外公式の表現が波…

「私たちはすでに『なめらかな世界』の住人である——伴名練が文学にしたインターネットの万能感」

uz-media.com uz-media.com uz-media.com uz-media.com uz-media.com 万能感を「体感」させた作家 伴名練「なめらかな世界と、その敵」について書く。 この短編の舞台は、人間が複数の並行世界を自在に行き来できる世界だ。主人公たちは、いくつもの可能性の…

Mac OSの魅力 その2 セキュリティとプライバシーの話

uz-media.com 前回、macOSのTerminalについて書いた。UNIXの血統、Homebrewの生態系、そしてAIがターミナルに棲みついた2025年以降の風景。あれはエンジニア志望の人に向けた話だったが、今回はもう少し広い射程で、Macを使っているすべての人に向けて書きた…

なぜ今なのか——映画『ウィキッド』が撃ち切れなかった弾丸

映画『ウィキッド ふたりの魔女』(2024年)と『ウィキッド 永遠の約束』(2025年)は、ブロードウェイで20年以上愛され続けてきたミュージカルの映画化作品だ。原作は『オズの魔法使い』——あの、カンザスの少女ドロシーが竜巻に飛ばされてオズの国へたどり…

『インサイド・ヘッド』が暴いた感情の真実——私たちは、ずっと間違えていた

感情というものを、私たちはずっと誤解してきた。怒りは抑えるべきもの、悲しみは克服すべきもの、そして幸福こそが人生の正解——そういう素朴な信念を、私たちは疑いもなく内面化してきた。だが2015年にピクサーが公開した『インサイド・ヘッド』は、そのす…

「君たちはどう生きるか」は結局何だったのか——宮崎駿が“説明しない”ことを選んだ理由

「意味がわからなかった」という感想が、あれほど均質に広がった映画を、私は他に知らない。 2023年の夏、宮崎駿の新作「君たちはどう生きるか」が公開されたとき、SNSは奇妙な静けさと混乱に満ちた。事前情報がほぼゼロだったことも影響しているが、それ以…